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2013年9月18日 (水)

ヴェニスの商人

さいたま芸術劇場で蜷川シェイクスピア「ヴェニスの商人」を観ました。
お目当てはもちろん猿之助のシャイロック。

あのひとまじでほんとにすごいよ!!!

どこからどう見ても老人だったよ。というか私、数年前にここで美人をみた覚えがあるんですけれども。あるときは美人、あるときは老人。ルパン三世か。
しかも、どう見ても老人と言いつつ、実際にまちなかにあんな老人いないからね。つまり、リアルな老人を演じているのではなくて、老人の「型」をやっているわけ。そこはさすが歌舞伎役者というか、彼の場合は演技ではなくて芸なんだと思いました。これぞ芸だよ。

そしてあの強烈な存在感。登場するとぱっと空気が変わって、長い沈黙もポーズも恐れず客の目もそらさない。あれも歌舞伎の人よね~。ていうかけっこう歌舞伎だったよねシャイロック。クチ赤かったし。

そして脚本に忠実な蜷川演出で見ると、

この話まじでほんとにひどいユダヤ人いじめなんですけれども。
あんなに気持ちの優しい男はいないとか言われてるアントーニオさんが、シャイロックのことは公衆の面前で罵倒したりつばを吐きかけたりするって…どういう優しい人なんじゃい!

しかもしかも、例の裁判で負けて呆然としているシャイロックに、財産没収は勘弁してやるからキリスト教に改宗しろとか言うのよ!信じられない!宗教関係ないじゃん!!なんという人権侵害!!
さらには、ふらふらと立ち去ろうとするシャイロックに浴びせかけられる裁判官たちの嘲笑と雑言…。

あまりの残酷物語に、猿之助びいきのSちゃんは隣で号泣していました(ノ_-。)

ただ、全体としてみるとやっぱりこの話の主役はポーシャなのね。出番も多いし。
美人で賢い新妻が機転をきかせて夫のピンチを救う!ついでに強欲なユダヤ人もこらしめちゃうぞ☆ミ って感じで、裁判の後の婚約指輪をめぐるドタバタのあたりは確かにコメディ。

ポーシャは中村倫也くんが演じていて、わたしノーマークだったんだけど、この子がすごくよかったの。最初の登場で、あまりにも見た目がかわいいので、この子がビジュアル担当か(*´∀`)と思ってたらかわいいだけじゃなかったです。

特に裁判の場面からが秀逸で、男性が演じている女性が男装するという倒錯のきわみ(笑)をすごくうまく演じていました。むしろドレス姿のときよりも女の子に見えて、ヒゲをつけて侍女とキャピキャピしてるところとか超なごんだ(*´∀`)

逆に言うと、この芝居ってシャイロックが平板だったらふつうにポーシャが主役の痛快喜劇なんだなと。
今回は中村くんのポーシャがすごく魅力的だったので、猿之助のシャイロックが圧倒的な存在感で悲劇の一矢を突き刺すことによってくっきりと明暗をつくる、すごく印象深い舞台になっていました。

役者がみんな一度は演じたいと思う役だというのもわかります。
舞台の出来はシャイロックの力量次第。そして今回は最高ー!

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