「粗にして野だが卑ではない」
城山三郎 【文春文庫】
このフレーズ、知ってはいたけど誰のセリフか知りませんでした。なんか三国志とかに出てくるのかと思ってた。ら、旧国鉄総裁の石田禮助氏の、国会初答弁時の自己紹介なんだそうです。
かっこいいわ~。「粗にして野だが」と一見へりくだってるようで全然くだってないし。「おれは山猿だから」と言いつつ自負心ゆるがないし。
言いたいことをぼんぼん言って豪腕をふるっても周りから一目おかれるのは、やっぱ卑ではないからなんでしょうね。
この人は戦前~戦後に物産の商社マンとして文字どおり世界をまたにかけて活躍した人で、そういう意味では財界人から初めて国鉄総裁に登用された人でもあります。
この時代はエリートが本物のエリートだから好きだわ。
本当に優秀な人が大学で学んで、政治でも経済でもそういう人たちがリーダーになって、国をよくしよう、世の中をよくしようという理想と使命感に燃えて働く。
混乱期だし、本当の意味での精鋭なのでやることありすぎて私利私欲に走るひまがないって感じで、何よりも、これは時代なんだろうけど、プライドがあるよね。ノーブレス・オブリージというのかしら。高等学問を受けて第一線で働いている者は高潔たるべし、みたいな気概があります。
同じ作者の「総会屋錦城」(新潮文庫)は短編集。
同様に、戦後の混乱期~高度経済成長期のビジネスマンたちの姿を描いていてカッコイイです。まあ表題作はビジネスマンじゃなくて総会屋だけど(笑)
つか総会屋ってなつかしい響きだな。今はどうなってるのかなあ。
ビジネスマンを描く社会小説というと山崎豊子ですが、確かに似た感じはあるけど、あれほど告発的じゃないというか。企業内の問題というよりは社会の問題を描いているので、もっとずっと読みやすいです。つか私が山崎豊子を読むとアドレナリンが過剰分泌されるだけかもしれないけど![]()
とにかく、ブルーカラーでもホワイトカラーでも、まじめに働くオトコはかっこいいです。草食系男子とか言ってないで、みんなもっとガツガツ仕事するべきだよ!って私が言うな!
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